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音楽理論が分からないバンドマンに見てほしいロック・ポップス理論入門

音楽理論が分からないバンドマンは多い

こんにちは。音楽をやっている人は時々見かけますが、音楽理論を知っている人は案外少なかったりします。別に「自分には必要ない」という人はそれでもいいんですが(ジャンルによってはほとんど知識がいらないこともあります)、しかし音楽理論は難しそうだから勉強していないとか音楽理論をやってみたけど何を言っているのかわからないという人も非常に多いと思います。私はギターをやりますが、ギタリストで多いパターンだと、モードというものを聴いたので調べてみたけど、結局何を言っているのかわからない」というパターンでしょう。基本的なモードでいうと、イオニアン・ドリアン・フリジアン・リディアン・ミクソリディアン・エオリアン・ロクリアンというものがあります。なんだかカタカナだしなじみのない名前だし覚えづらいですね。で、解説サイトとかを見るとイオニアンのところにドレミファソラシドが書いてあり、ドリアンのところにレミファソラシドレが書いてあって・・・・・・という風になっています。そして、試しにギターで弾いてみるわけですね。でもじゃあいったい何が違うんだ。。。となっていくのです。こんな感じになって多くのギタリストが音楽理論の前に屍となって積みあがっていくのですが、これは非常にもったいない。こんな悩めるギタリスト諸氏はいったい何に躓いているのでしょうか。そして何を勉強すれば音楽理論が分かるようになるのでしょうか。

 

学習の順番を知ろう

音楽理論が分からない人にありがちなのが、何から勉強していいのかわからずいきなり難しい理論にトライしてしまうこと。「モードを勉強してみよう!」「セカンダリドミナントって何だろう」「リディアンクロマチックコンセプトって気になるな」。。。

気持ちはわかります。しかし、こういったものを学ぶのはまだ早い。音楽理論はなまじっかこういう難しい名前のやつの方が見かけるのが早いのです。だから挫折するバンドマンが多いのです。しかし、こういったやつは中ボスからラスボス当たりの強敵。まずはスライムとかポッポから倒していきましょう。

 

ジャズ・ポピュラー理論とクラシックの理論の違い

クラシックとかとバンドで使うようなジャズ・ポピュラー系の理論は異なりますが、基本的には何を大事にしているのかで体系が分かれていると思ってください。一般の人がクラシックと聞いて思い浮かべるようなのは宮廷でかかっていそうな明暗がはっきりしてどこか厳かな雰囲気のあるああいう音楽でしょう。こういう音楽でははっきりとしていて音の響きが最重要になるので、ジャズに出てくるような”濁った”コードは使いません。逆にジャズでクラシックみたいにスッキリしすぎた演奏をされても困るわけです。音楽理論は何を大事にするジャンルなのかによって認められることと認められにくいこと(=禁則)が異なります。だからポップスに対して、「これは五度を連続で使っているからダメだ!」などとクラシックの禁則を持ち出しても意味がないのです。クラシックは全体の響きを意識する音楽なので、一度五度のように結びつきが強い和音を連続で使うとそこだけが調和を外れ悪目立ちしてしまうのです。でもポップスやロックでは時に力強さや素朴さが重要視されます。だから明暗の別を問わず使え、強い結びつきがあってパワーある響きの一度五度が連続しても構わないのです。

 

このように、自分が勉強したいジャンルやそこで使われている理論、あるいはアイデアなどについて考えてみる必要があります。今回記事を見てくれている方はおそらくジャズ・ポピュラー系の理論を必要とされている方でしょう。ロックもこの理論である程度カバーできると思われますので、覚えてほしい二つのことを紹介します。

 

最初に覚えることはふたつ

まず覚える必要があるのは「度数」と「ダイアトニックコード」です。このふたつを覚えないとその後の理論は何を言っているのかが理解できないので、このふたつを覚えてほしいと思います。

 

度数とは何か(簡易版)

英語で音階のそれぞれの音をC・D・E・F・G・A・B(それぞれドレミファソラシに対応)といいます。そして、キーがCの場合を考えます。ドから始まるのでなじみがわきやすいからです。それでは見ていきましょう。まずは音と音の距離という概念を導入します。これが度数の本質部分です。音と音の距離といっても何センチメートルとかと言って測れるわけではないのですが、まあ置いといてください。まず(低い)ドから(低い)ドまでーつまり同じ音なわけですがーこの距離を(完全)1度と定めます。次にドからレを(長)2度とします。次にドからミを(長)3度とします。こうやってどんどん決めていきましょう。ドからファを(完全)4度、ドからソを(完全)5度、ドからラを(長)6度、ドからシを(長)7度とします。低いドから高いドに関しては完全8度とも言いますし、口頭で言うときは1度ということも多いので細かいことは気にしないでください。さて、完全と長というものが出てきました。これは何が違うのでしょうか。実は和声などをやると出てくるのですが、完全協和音程と呼ばれるものがあります。これに当てはまるものが完全とついているやつです。長短になっているのはそれ以外のやつと思ってください。今回はドをスタート地点としてそこからの距離を考えましたが、それ以外のやつがスタートでも基本的な考え方は同じで、あとは脳内でずらしてください。慣れるまでは他のスタート地点からだと難しいので、まとめているサイトとかで調べて覚えるまでチェックしてください。

そして、今度は長の対となる存在、「短」を導入します。ドに対してミの距離が長3度だと言いましたが、ドに対してミのフラットが短3度です。英語だと前者がメジャーサード、後者がマイナーサードなので覚えておくといいと思います。このようにドからレのフラットの距離が短2度です。(短2度を実際の演奏で使うのはやや珍しいですが、フラメンコやジャズでは割と出てきますね)同じくドからラのフラットが短6度、ドからシのフラットが短7度です。ここで気になるのは完全とついているヤツですね。ドからファのシャープはいったい何でしょうか?実はこの場合は増4度という音程(=音と音の距離=度数)になりますドからソのシャープは増5度ということになります。増があればその対になるのもあります。「減」です。ドからソのフラットは減5度となります。このように長短、完全、増減の違いが分かれていると思ってください。補足をしておくと、ドからドのシャープは増1度といいます。ここでアレ?と思った方は勘が鋭い。さっき出てきたレのフラットとドのシャープ、実は同じ音です。実音は同じ音でも度数表記が変わることがあるのです。シャープかフラットかナチュラルかも大事ですが音名そのもので数字が変わるということです。なので気を付けてください。また、長〇度のようなものが調号の都合でさらにシャープするとき増になり、短〇度のようなものが調号の都合でさらにフラットするとき、減になります。同様に増〇度がシャープすると重増。減〇度がフラットすると重減となります。

これで度数についてはほぼ基本的なことは終わりました。

 

ダイアトニックコードについて(簡易版)

それでは次にダイアトニックコードについて考えていきましょう。ダイアトニックスケールというものがありますが、あれは「調性内の音(そのキーの時標準となる音と思ってください)でつくられた音階」のことです。ダイアトニックコードは三和音と四和音がありますが、どちらも「その調性内の音で作れる三度堆積のコード」のことを指します。普通のメジャーキーやマイナーキーの場合、ダイアトニックコードは7つ作れることが分かりますね。キーをC(メジャー)で考えます。ダイアトニックコードは順番に、Cmaj7,Dmin7,Emin7,Fmaj7,G7,Amin7,Bmin7♭5となります。

ここで4種類のコード区分が出てきました。メジャーセブンス、マイナーセブンス、セブンス、マイナーセブンス♭ファイブ(ハーフディミニッシュともいいます)

それぞれ構成音を度数表記で見ていきましょう。まずはメジャーセブンス。構成音はルート、メジャーサード、フィフス、メジャーセブンスです。続いてマイナーセブンス。構成音はルート、マイナーサード、フィフス、(マイナー)セブンスです。次はセブンス。構成音はルート、メジャーサード、フィフス、セブンスです。最後にハーフディミニッシュ。構成音はルート、マイナーサード、フラットファイブ、セブンスです。

もう一度まとめます。

Maj7      R,M3rd,5th,M7th

min7      R,m3rd,5th,m7th

7            R,M3rd,5th,m7th

m7♭5   R,m3rd,♭5th,m7th

こうですね(書き間違ってたらゴメンナサイ)

ちなみにコードの表記というのは複数あって、同じコードでもいろいろな書き方がされます。この記事でも誤解の可能性が低いところではmajと書き、そうでないところでは大文字から始めています。

 

これで登場するコードの種類とその構成音が分かりました。

こうすると任意のメジャーキーに対して既にダイアトニックコードを度数表記できることが分かります。

ⅠMaj7 Ⅱmin7 Ⅲmin7 ⅣMaj7 Ⅴ7 Ⅵmin7 Ⅶmin7♭5

 

こうすることでわざわざキーに依存する書き方をしなくても共通の書き方ができるので、覚える量を大幅に減らすことが出来ます。

先ほどやった度数のメリットというのは「音と音の距離」に注目した概念ですが、こうすることで「異なるものを同一視」できるというメリットがあります(そのほか分析にも役に立ちます)。非常に便利ですね!

マイナーキーの場合はナチュラルマイナー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーとあってめんどくさいので割愛します。(初心者のキャパを超えてしまいます)

 

ここまでみるとダイアトニックコードも初歩編が完了。

 

以降のモードなどに向けた準備もできました。

 

これで初歩は完了

度数とダイアトニックコードについて一通り解説できたので、これで今後の議論に向けた土台ができたと思います。もしギターかピアノをされている方は、楽器上で度数とダイアトニックコードがどうなっているか確認してみてください。実際に弾くことで確認できますからね。今後はモードとかドミナントモーションといった議論に進んでいくことになります。覚えるべき順番というのがある程度存在するので、焦らずにトライしてみてください。それではまた。

 

(追記)続編が出ました

tommetal.hatenablog.com

上の記事が続編になります。

この記事で書いてある内容を理解したらある程度は理解できると思います。

 

 

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音楽と作曲のこと

曲を作るというのは大変なことである。

 

大体の人が周りの人に

「コードとルートがあってないよ」

とか

「メロディーの音がズレてるよ」

などといわれながら何となく作曲を覚える。

 

音楽が好きだという少年少女が

見よう見まねで楽器を始めて、

そのままの勢いで作曲などに挑戦する。

 

多くの場合、この作曲で

一曲を完成させるのに大きくてこずる。

もしあなたが曲を完成させた経験があるのなら

それはラッキーだ。

 

そして一曲素晴らしいものを作ったとしても

二曲目以降が出てこずに作曲しなくなる人もいる。

 

こんなことをしながら、だんだんと速く曲を

書けるようになってくる。

だんだんともう粗のない曲なんかが

書けるようになってくるんじゃないか。

 

そうしたら今度は多くの場合作曲コンテストに

自作曲を応募するのだろう。

そうして初めて自分と同じくらいの作曲歴の

人の曲を聴くことになる。

 

あれは音楽をやっている人にしかわからない

感覚なのかもしれない。

もともと音楽をやってきてそこまでの間

生き残ったつわものたちがコンテストには

出ているのである。

 

当然彼らはうまい。

思わずうなるようなフレーズも出てくるだろう。

だが、そんな人たちでもコンテストで

高評価をもらえるのはほんの一部なのだ。

 

なにか一つでもほめてもらえるところがあった人は

きっと音楽の才能があるだろう。

私もメロディーに関しては自信を持っているところだ。

 

そんなこんなでコンテストにでてある程度

満足してしまう人もいるし、

自分の実力を悟ってアマチュアでやっていくぞ

という人だっている。

ほとんどがこのパターンだろう。

 

ここから音楽を続けていくのはさらなる猛者である。

作曲の何が問題だったのか。

どこをどう直せばもっと良くなるのか。

こんなことを日々考えながら生きるのは

よほどの音楽好きでない限り苦痛だろう。

 

所謂巷で「昔ミュージシャン目指してました♪」

みたいなタイプの人はここまでくるともういない。

たいていここにたどり着く前にそういう人はいなくなっているのである。

 

自分の曲をよくしたいとか、プロになりたいとかと思う人は

だんだんと様々な音楽に手を出して自分の楽曲に取り入れようとする。

 

そうやって情報を得ながら作曲を繰り返していくと、

確かに前作ったものよりもいい曲ができたような

気がするのである。

 

こうしてある程度披露できるオリジナル曲がたまったりすると、

今度はライブに出るだろう。

学生のコピーバンドならいざ知らず、普通のオリジナルバンドなんて

対して見向きもされない。

友人が駆けつけるのが関の山である。

その友人だってお金を払って見に来ているんだろうから

何回かしたら来なくなる。

 

しかし、ライブバンドといわれているようなバンドはこうした

無限ライブ巣窟をノルマと闘いながら生き残っていくのである。

 

あるいはこれがライブではなくインターネット配信であっても

似たようなものである。

無名の新人の作った楽曲なんてメジャーレーベルの

大人がゴリゴリに力を入れて作ったような作品に

太刀打ちできるものではない。

 

しかしミュージシャンはそれでも音楽を続けていくのである。

 

たまにこうした無間音楽地獄を潜り抜け

インディーズで知られてくるようになるバンドがいる。

そういったバンドは小さいフェスに出演したり、

オープニングアクトに抜擢されたり、

ラジオで単発で曲をかけてもらったりする。

 

しかしこうしたバンドも安泰とは言えない。

インディーズで知られているくらいのレベルでは

とても食えるレベルではないからである。

 

ある程度実力のあるバンドになってくると、

常人が一生かかっても知りえないような

深い音楽沼に来ているのである。

 

ミュージシャンというのはこうした試練に立ち向かってきた存在なのである。

作曲に関しても初期のころとは比べ物にならないくらい

イデアが湧き出てくる。一般の人の理解のレベルをついに超えてくるのである。

 

だがこうしたバンドもインディーズで一曲二曲とリリースして

一時的に話題になっても消えてしまったりする。

ここからメジャーに上がれるのは本当に一握りなのである

(とはいえなぜこの人がメジャーに?といった人も多数存在するが)

 

こうしてメジャーレーベルに上がっても

権利や金の事、セールスの問題などで

契約解除になる人も少なくない。

 

メジャーでそこそこのレベルでやっていける人というのは

かなり稀有な存在だというのが分かるだろう。

 

さらにそのメジャーに勝ち上がってきた中で

週間チャートなどのランキングも意識しなければならない。

日々膨大な音楽を聴きながら売り上げや順位を

必死に守るのである。

 

煌びやかなように見えるミュージシャンも

こうした研究に支えられているのである。

 

ここまでで2000字以上を費やしているが、

読んでいるだけで気が遠くなるくらいであろう。

 

実際、プロアマ問わずある程度長く続けられる人というのは

かなり音楽の知識が膨大である。

ありとあらゆるジャンルを聴いて、

ちょっとでも自分の曲をよくしたいと工夫しているからである。

 

このように曲を作ってきたミュージシャンたちは

果たして自分が音楽を始めたころに作りたいと思っていた

音楽を作っているのだろうか?

 

曲の成長とともに遊び心なんかも

入れられるようになってくる。

それと同時に心の中にある

ピュアな部分がなくなっていく。

 

「あれ、おかしい、何か違う・・・」

 

たしかに技術的には何でも作れるようになっているだろう。

しかし、ピュアな素朴なあのときの感覚は

失ってしまったらなかなか戻らないのである━━━

 

……………………………………………………………………………………………………………………………

 

音楽を長くやっていると人の曲を聴いたりする機会は多いし、

よりディープでコアな方への探求が止まらなくなるだろう。

 

そうなるとポピュラーな曲がきけなくなったりする時期もあるし、

編曲も技巧的になったりするだろう。

 

しかしそんな時こそ、

ポピュラーの精神を忘れてはいけないのである。

 

どこに進むべきか、

道が分からなくなったら一度引き返せばいい。

 

忘れかけていた大切なものを取り戻すためにも

原点となった音楽は大切にすべきである。

 

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