study DTM

音楽の楽しみ方がわかるサイト、スタディーティーエム 

音楽と作曲のこと

曲を作るというのは大変なことである。

 

大体の人が周りの人に

「コードとルートがあってないよ」

とか

「メロディーの音がズレてるよ」

などといわれながら何となく作曲を覚える。

 

音楽が好きだという少年少女が

見よう見まねで楽器を始めて、

そのままの勢いで作曲などに挑戦する。

 

多くの場合、この作曲で

一曲を完成させるのに大きくてこずる。

もしあなたが曲を完成させた経験があるのなら

それはラッキーだ。

 

そして一曲素晴らしいものを作ったとしても

二曲目以降が出てこずに作曲しなくなる人もいる。

 

こんなことをしながら、だんだんと速く曲を

書けるようになってくる。

だんだんともう粗のない曲なんかが

書けるようになってくるんじゃないか。

 

そうしたら今度は多くの場合作曲コンテストに

自作曲を応募するのだろう。

そうして初めて自分と同じくらいの作曲歴の

人の曲を聴くことになる。

 

あれは音楽をやっている人にしかわからない

感覚なのかもしれない。

もともと音楽をやってきてそこまでの間

生き残ったつわものたちがコンテストには

出ているのである。

 

当然彼らはうまい。

思わずうなるようなフレーズも出てくるだろう。

だが、そんな人たちでもコンテストで

高評価をもらえるのはほんの一部なのだ。

 

なにか一つでもほめてもらえるところがあった人は

きっと音楽の才能があるだろう。

私もメロディーに関しては自信を持っているところだ。

 

そんなこんなでコンテストにでてある程度

満足してしまう人もいるし、

自分の実力を悟ってアマチュアでやっていくぞ

という人だっている。

ほとんどがこのパターンだろう。

 

ここから音楽を続けていくのはさらなる猛者である。

作曲の何が問題だったのか。

どこをどう直せばもっと良くなるのか。

こんなことを日々考えながら生きるのは

よほどの音楽好きでない限り苦痛だろう。

 

所謂巷で「昔ミュージシャン目指してました♪」

みたいなタイプの人はここまでくるともういない。

たいていここにたどり着く前にそういう人はいなくなっているのである。

 

自分の曲をよくしたいとか、プロになりたいとかと思う人は

だんだんと様々な音楽に手を出して自分の楽曲に取り入れようとする。

 

そうやって情報を得ながら作曲を繰り返していくと、

確かに前作ったものよりもいい曲ができたような

気がするのである。

 

こうしてある程度披露できるオリジナル曲がたまったりすると、

今度はライブに出るだろう。

学生のコピーバンドならいざ知らず、普通のオリジナルバンドなんて

対して見向きもされない。

友人が駆けつけるのが関の山である。

その友人だってお金を払って見に来ているんだろうから

何回かしたら来なくなる。

 

しかし、ライブバンドといわれているようなバンドはこうした

無限ライブ巣窟をノルマと闘いながら生き残っていくのである。

 

あるいはこれがライブではなくインターネット配信であっても

似たようなものである。

無名の新人の作った楽曲なんてメジャーレーベルの

大人がゴリゴリに力を入れて作ったような作品に

太刀打ちできるものではない。

 

しかしミュージシャンはそれでも音楽を続けていくのである。

 

たまにこうした無間音楽地獄を潜り抜け

インディーズで知られてくるようになるバンドがいる。

そういったバンドは小さいフェスに出演したり、

オープニングアクトに抜擢されたり、

ラジオで単発で曲をかけてもらったりする。

 

しかしこうしたバンドも安泰とは言えない。

インディーズで知られているくらいのレベルでは

とても食えるレベルではないからである。

 

ある程度実力のあるバンドになってくると、

常人が一生かかっても知りえないような

深い音楽沼に来ているのである。

 

ミュージシャンというのはこうした試練に立ち向かってきた存在なのである。

作曲に関しても初期のころとは比べ物にならないくらい

イデアが湧き出てくる。一般の人の理解のレベルをついに超えてくるのである。

 

だがこうしたバンドもインディーズで一曲二曲とリリースして

一時的に話題になっても消えてしまったりする。

ここからメジャーに上がれるのは本当に一握りなのである

(とはいえなぜこの人がメジャーに?といった人も多数存在するが)

 

こうしてメジャーレーベルに上がっても

権利や金の事、セールスの問題などで

契約解除になる人も少なくない。

 

メジャーでそこそこのレベルでやっていける人というのは

かなり稀有な存在だというのが分かるだろう。

 

さらにそのメジャーに勝ち上がってきた中で

週間チャートなどのランキングも意識しなければならない。

日々膨大な音楽を聴きながら売り上げや順位を

必死に守るのである。

 

煌びやかなように見えるミュージシャンも

こうした研究に支えられているのである。

 

ここまでで2000字以上を費やしているが、

読んでいるだけで気が遠くなるくらいであろう。

 

実際、プロアマ問わずある程度長く続けられる人というのは

かなり音楽の知識が膨大である。

ありとあらゆるジャンルを聴いて、

ちょっとでも自分の曲をよくしたいと工夫しているからである。

 

このように曲を作ってきたミュージシャンたちは

果たして自分が音楽を始めたころに作りたいと思っていた

音楽を作っているのだろうか?

 

曲の成長とともに遊び心なんかも

入れられるようになってくる。

それと同時に心の中にある

ピュアな部分がなくなっていく。

 

「あれ、おかしい、何か違う・・・」

 

たしかに技術的には何でも作れるようになっているだろう。

しかし、ピュアな素朴なあのときの感覚は

失ってしまったらなかなか戻らないのである━━━

 

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音楽を長くやっていると人の曲を聴いたりする機会は多いし、

よりディープでコアな方への探求が止まらなくなるだろう。

 

そうなるとポピュラーな曲がきけなくなったりする時期もあるし、

編曲も技巧的になったりするだろう。

 

しかしそんな時こそ、

ポピュラーの精神を忘れてはいけないのである。

 

どこに進むべきか、

道が分からなくなったら一度引き返せばいい。

 

忘れかけていた大切なものを取り戻すためにも

原点となった音楽は大切にすべきである。

 

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